私が一番あなたの傍に…
「ねぇ、さっきは欲しいものが見つからなかったから、陶器類のコーナーから見てもいい?」

できれば安くて可愛いものを買いたいが、ない場合は他のお店でも探したいので、先に見ておきたい。

「いいよ。ってそんなことを話してたら、目の前にあったね」

大体食器類は入口の近くに配置されていることが多いので、入ってすぐの所にあることが多い。
本当に入口のすぐ傍にあった。あまりにもすぐ目の前にあったため、探す前に見つけてしまった…。

「ほんとだ…。まさか入ってすぐにあるなんて…」

「確かに。こんだけすぐ目の前にあると驚きを通り越して唖然だよな」

言葉を失うことってあるんだなと実感させられた。この現状に思わず笑いを堪えきれなかった。

「ふふ…。なんかおかしいね」

「おかしいな。すげー偶然」

「ねー。本当すごい偶然だね」

こんな偶然は滅多に起きない。
だからこそ、この偶然が私達にとっては不思議で。面白くもあった。

「だな。とりあえず、見よっか」

目の前にある食器をゆっくり眺める。百円にしてはクオリティが高く、先程のお店より心が惹かれた。

「どうしよう。可愛いお皿とかコップが多くて迷っちゃう…」

たくさん買っても仕方がない。二人暮しだし…。
でも料理やその時の気分に応じてお皿を変えたりもしたい。
実際、それをやるかどうかなんて分からないけど、形から揃えたくなってしまう。
とはいえどもたくさん買えば、荷物が重くなるし、その分金額も嵩張る。
せめて各種二種類ずつまでだ。それ以上はさすがに無理だ。
頭の中であれこれ考えながら、目の前にある可愛いもの達を吟味する。
吟味すればするほど、どんどん絞れなくなっていき、決められそうにない。
< 130 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop