私が一番あなたの傍に…
「うどんか。お互いに麺類だな」

愁がラーメンだからといって真似して同じ麺類にしたわけではないが、先に愁がラーメンにするという話を聞いた上で同じ麺類を選んでしまったので、そう思わせてしまったのかもしれない。

「真似したみたいになってごめん。天ぷらを見てたら食べたくなっちゃって…」

苦しい言い訳だ。言い訳なんてせずに普通にごめんと一言言うだけでよかった。

「全然何も気にしてねーからな。いいじゃん。同じ麺類なの嬉しいし、天ぷらも美味しそうだから、俺も天ぷらだけ食べようかな」

勝手に自分で思い込んで暴走してしまった。恥ずかしい…。冷静に考えたら何も思わないのが普通だ。
今すぐ忘れてほしい。何もなかったことにしたい。

「う、うん。そうだね。天ぷら…食べたいね…あはは……」

誤魔化してももう遅い。先程の失態は消えない。
今はまだ恥ずかしいけど、そのうちいつか笑える日がくるであろう。

「注文しに行こっか」

「う、うん。そうだね。そうしよっか」

一緒にうどん屋さんまで行き、並んだ。
愁も天ぷらを食べたいと言っていたので、食べたい天ぷらを選ぶために一緒に並んでいるのであろう。

「愁、食べたい天ぷらを選んだら、ラーメンと餃子を注文しに行ってもいいよ」

その方が効率が良いし、お互いに食べたいものが別々なので、わざわざ一緒にずっと並んでいる必要はない。

「え?いいのか?幸奈がいいならそうしようかな…」

「うん。そうしてもらって大丈夫だよ。あとついでに餃子を単品でお願い」

今度こそ愁の真似…というわけではないが、愁が天ぷらを食べたくなったのと同じで、私も段々餃子が食べたくなってきた。
急遽ではあるが、愁に頼んだ。もう食欲を抑えきれなかった。

「分かった。任せろ」
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