私が一番あなたの傍に…
私達は新たな目的地、フードコートを目指した。
同じ三階にフードコートもあるので、あっという間にフードコートに着いた。

「何にしようかな…」

色々あるのは利点だが、逆に迷ってしまうのも難点だ。
悩めば悩むほど食べたいものが増え、選べなくなってしまうというど壺にはまってしまう。
それだけは避けたい。既に目移りしている時点で手遅れかもしれないが…。

「俺はラーメンと餃子の気分だから、ラーメンと餃子にしようかな」

愁はもう決まっているみたいだ。
愁の話を聞いてたら、ラーメン餃子も捨て難くなってきた。

「うーん…何にしよう。迷うな……」

私が大食い選手権に出られるほどの大食いで、食べても太らない体質なら、今頃食べたいものを全部注文している。
でも残念ながらそれはできない。大食いではないからそんなにたくさん食べられないし、食べた分太ってしまう。
そもそもそれができるほどの財力がないので、食べられたとしてもお金の面で厳しいわけだが。
できないと分かっているので、端からやる気など毛頭ない。
それでも美味しそうなものが目の前にたくさんあると、ふとこういったくだらないことを考えてしまう。
それができないから、毎回真剣に何が食べたいのか考える。それを考えている時間が楽しい。自分が食べたいと思ったものを食べられるから。

「ゆっくり決めていいからな。幸奈が食べたいものを食べるのが一番だから」

イライラせずにどんなことでも待ってくれる。愁の優しさが心に染み渡る。

「ありがとう。でももう決まりそう」

フードコート一体を見渡す。その中で一瞬で目を奪われたお店があった。

「私はうどんにする。天ぷらが食べたい」

一瞬で決まった。悩んでいたのが嘘みたいに…。
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