私が一番あなたの傍に…
「おう。期待しててくれ。早速その期待に応えるために次の場所へ行ってもいいか?」

このイルミネーションは大通りの歩道の街路樹に施されているので、そんなに長居はできない。
寧ろ長居するとなると、通行人の迷惑になる。そろそろ違う場所へ移動した方が良さそうだ。

「いいよ。愁にお任せします」

「そんじゃ次の場所へ行こう」

優しくエスコートをしてもらいながら、次の目的地へと向かった。
そして向かった先は想像もしていなかった場所だ。

「ここって…」

見るからに建物から高級感が漂っている。これって所謂、高級レストランというやつではないだろうか。

「行くぞ」

いやいや…さすがに。学生の身分で入れるような雰囲気のお店ではない。
それなのに愁は、最初からこのお店を選んでここまで来た。
つまり高級なのは端から承知していて。私のためにこのお店を選んでくれた…ということになる。
イルミネーションの時、愁なりに誠意を見せてくれた。それだけでも嬉しかったのに、更にそれを上回るサプライズが用意されているなんて思ってもみなかった。
お金をかけてくれるから自分が愛されているとまでは思わない。ただここまで素敵なサプライズをされると、愛されているからこそここまでのことをしてもらえるんだと実感した。

「いらっしゃいませ」

いつも行く安いお店とは違い、店員さんの装いまで高そうな服で。落ち着いた声のトーンで接客をしている。
こういったお店に来るのは初めてで。緊張してしまう。
事前に来ると知っていたとしても緊張したと思う。それぐらい慣れていない。

「幸奈、食べられないものとかあるか?」

一緒に住み始めて、お家で一緒に食べることが増えたので、お互いに好きな食べ物や嫌いな食べ物を一応知っているが、念のため確認してくれたのであろう。
しかし高級店のメニュー表を見ても、料理の名前がオシャレすぎてどんな食べ物なのか想像できない。
基本、苦手な食べ物がないので、何が出てきても大丈夫であろう。ここは愁にお任せすることにした。
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