私が一番あなたの傍に…
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大学は今日ないので、アルバイトをしに家を出た。
家を出る前に、『行ってきます』と一言声をかけてから出てきた。
美咲くんは私の家で帰りを待ってくれている。ゆっくりしてくれているのであれば、それに越したことはない。
私はその間、頑張って働くだけだ。自分のためにも。待ってくれている愁のためにも。
「おはようございます」
バイト先に着いたので、同僚に挨拶をした。
皆振り返って、私を見て、「おはようございます」と挨拶してくれた。
それが嬉しかった。このバイト先のメンバーとして、認めてもらえているような気がして。
「よ!幸奈」
後ろから蒼空が登場し、私の頭をサラッと触った。
一瞬、手の温もりにドキッとした。その時、愁を思い出し、早く会いたいなと思った。
「お久しぶり、蒼空」
バイト中は裏方と表ということもあり、あまり接する機会がなかったため、こうして話すのは久しぶりだ。
「どう?慣れた?」
思ったよりも早く仕事に慣れた。まだまだダメなところは多いけど。
「うん。慣れてきたよ」
「そっか。ならよかった」
このアルバイトで働けてよかったなと、蒼空と喋って改めてそう思った。
「ありがとう。アルバイトを紹介してくれて」
私がそう言うと、蒼空は優しく微笑んでくれた。
そして、また私の頭を優しく撫でた。
「そっか。ならよかった」