私が一番あなたの傍に…


           *


メッセージでやり取りを交わし、自分がアルバイトがない日はお迎えに行くことになった。
代わりにお互いにアルバイトがある日は、お互いの時間を大切にすることにした。
今まで一緒に居た時間を、大学の勉強をする時間に回せばいいだけだ。
それに幸奈が頑張っていることを、彼氏として応援したい。幸奈が幸せならそれでいい。
今まで焦っていた気持ちが嘘みたいに、心が穏やかで。
その穏やかな気持ちのまま、俺は幸奈を迎えに行った。
すると、すぐに幸奈の姿を見つけた。

「おーい、幸奈…?!」

そこには蒼空という男の姿があった。
俺は何故か蒼空の姿を見た瞬間、身を潜めてしまった。
なんとなく嫌な予感がした。胸騒ぎが止まらなかった。

「幸奈。俺は幸奈のことが好きだ」

ちょうど蒼空が幸奈に告白しているところに、遭遇してしまったみたいだ。
気まずい。なんとかバレずに、最後までやり過ごしたい。
それに幸奈がどう答えるのか知りたい。信じているけど、もし…ということもある。
黙って覗き見することに罪悪感はあったが、それでも恋人がどう思っているのか知りたいと思う気持ちは、当然な気持ちで。
俺は申し訳ない気持ちよりも、知りたいと思う気持ちの方を優先させた。

「答えは今すぐじゃなくていい。少しでもいいから、俺のことを意識してほしい」

幸奈が答える前に、蒼空はその場をはぐらかした。
向こうの方が一枚上手で。答える隙を与えずに、後日に持ち込んだ。
そうすることで、考える時間が増えるので、その分可能性も高くなる。
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