私が一番あなたの傍に…
お互いにお互いの元へと駆け寄り、どんどん私達の距離は近づいた。
そして、私達は無事に出会えた。私の目の前に今、愁がいる。

「俺、嬉しかった。幸奈から連絡をもらえたこと。今こうして幸奈に会えたこと」

私達二人が何も言わずに集まれた場所。それは私の家だった。
私達二人にとって、私の家は定番の場所となっていた。あの頃からずっと…。

「私も嬉しい。まさか待ち合わせ場所を決めてなかったのに、こうして会えるなんて…」

もし、ここですれ違っていたら、私は今日、愁に自分の本当の気持ちを言えなかったかもしれない。
私達は歩幅を一緒に歩いているという実感が持てた。だからもう大丈夫。悩まずに本音を話せそうだ。

「本当にな。でも俺達なら絶対に会えるって思ってた。だって俺達にとってここは大切な場所だから」

愁の言う通りだ。私達なら敢えて言わなくても、最初から分かっていたのかもしれない。
それぐらい私達にとって、ここで集まることは当たり前になっていた。いつの間にか二人にとって大切な場所になっていたみたいだ。

「そうだね。私もそう思う。最初からそのつもりでいたから」

私から誘ったのだから、当然、場所は私の家(うち)だ。それも急なお誘いなので、家以外は考えられなかったし、最初から考えていなかった。

「うん。俺も勝手にそのつもりでいた。やっぱり俺達の始まりの場所はここだから」

こういう時、二人の愛の力が試されるのかもしれない。私達はそういった意味では、ちゃんと答えが合っていたみたいだ。

「よかった。すれ違わなくて…」

「だな。それだけは本当によかった…」

無事に会えたことだし、早く家の中へ入ろうと思う。

「とりあえず、家の中へ入ろう」

「そうだね。そうしよう」
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