私が一番あなたの傍に…
「幸奈、支度の方は大丈夫か?」

ちょうど支度を終えたタイミングで、愁が声をかけてきた。まるでタイミングを読んだかのように…。

「うん。大丈夫だよ。もう出られます」

まだ少し時間に余裕があるが、これ以上のんびりしていたら、遅刻してしまうので、そろそろ出た方が良さそうだ。

「了解。俺もすぐ出られるから、最終確認してから出よっか」

何かあってからでは遅いため、火元や鍵を確認する。一応、確認してみたところ、ちゃんと鍵は閉まっていたし、火元も特に問題はなかったので、安心して家を出られる。

「確認したら大丈夫だったから、もう出よっか」

私がそう言うと、愁は「分かった。そうしよう」と言い、荷物を持って玄関へと向かった。
愁が先に靴を履き、私が後から靴を履いた。そのまま玄関の扉を開け、鍵を掛けて家を後にした。


              *


実家まで新幹線で向かう。お金はかかるが、その分時間が短縮できる。
それぐらい、実家まで帰るのに時間がかかる。そういうのもあって、私は実家に帰るのを避けていた。
帰らなかったのはそれだけが理由じゃないが。愁と一緒に居たいという恋心もあった。
それにせっかく大学生になって、一人暮らしも始め、親の監視がなくなったので、悠々閑適に遊びたい。
もちろん勉強も頑張るが、遊びたくない大学生なんていない。私はそれでもまだ真面目な方だが。
そんな真面目な私でさえも遊びたいと思うほど、遊び盛りな時期ということである。
< 66 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop