私が一番あなたの傍に…
「うん。幸奈の手の温もりで緊張が解けてきた」

人の温もりを感じられるだけで、こんなにも心が落ち着くなんて。このままずっと手を繋いでいたい。もう離したくない。

「私も。このまま着くまで手を繋いでてもいい?」

愁は優しく微笑んでから、耳元で囁いてくれた。

「いいよ。俺もまだ手繋いでたいって思ってから」

そんな彼の甘い囁きに、私は耳から溶かされた。一気に顔の熱が上昇した。

「ありがとう。すごく落ち着いた」

気持ちが落ち着いてきたせいか、眠気が一気に襲ってきた。そのまま眠りに落ちてしまった。
気がついたら、実家の最寄駅に着いていた。

「幸奈、最寄駅に着いたぞ」

愁の声で、眠りから覚めた。
私は慌てて準備を始めた。

「ごめん。寝てた…」

まさかこんな緊張感がある中で寝てしまうなんて。恥ずかしい。

「大丈夫。俺的には幸奈がリラックスできたみたいで、安心したけどな」

愁にそう言ってもらえて、安心した。自分が思っていた以上に、久しぶりに両親に会うことに緊張しているみたいだ。

「そっか。それならよかった。安心したら眠気って襲ってくるんだね」

本当は寝てしまったことが恥ずかしい。今すぐなかったことにしたいくらいに。

「襲ってくるね。俺もぶっちゃけ眠くて。少し寝ちゃった」
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