私の可愛い(?)執事くん
どんな道でも
・
陽と交際して3年。
ほとんど屋敷にいるしあまり恋人らしいことは
できなかった。
それでも別れたいとか不満は1度も浮かばなかった。
私は高校を卒業後、大学でやりたいことがなかった
ため就職。
陽は来月、高校を卒業。
その後は別の職場で働くことになっている。
今日は暁家でゆっくりしている。
「陽、もうすぐ卒業だね」
「そうだね、入学した時は長いなーって思ってたけど
振り返ればあっという間だった」
「私が卒業した時、陽は嘆いてたもんね、
私ももう学校で会えないなんてーって」
「だって本当のことだし」
背丈が変わってもムスッと拗ねる顔は変わらない。
「陽、ありがとう」
「急にどうしたの?渚」
「わかんない、急に言いたくなったんだ」
「なら俺も。ありがとう、渚」
朗らかだった陽はすぐに真面目な顔をした。
「どうしたの?」
「渚、大事な話がある」
緊迫した声に気持ちを切り替えて頷く。
ベッドから離れて小物入れの引き出しから小さな箱を
取り出した。
(それって)
鈍い私でもわかる。
「俺とあなたでは立場が違う。
旦那様のいう通り反対する人も現れる。
それでもあなたと人生を歩みたい。
あなたがいれば俺は幸せだ。
源 渚さん、俺と結婚してください」
隣に座り言い終えると同時に箱を開く。
シンプルな銀の指輪がとても輝いて見える。
(嬉しい、すごく嬉しい。
でも、驚きすぎてうまく反応ができない)
「あ、りがとう。陽」
「俺のプロポーズ、受けてくれる?」
(塩対応すぎて確認を取らせちゃった。
穴があったら入りたい)
一息置いて心を落ち着かせてから答える
「もちろん!」
陽は笑って私の左手をとり薬指に嵌める。
その手は微かに震えていた。
「ありがとう、陽」
「こちらこそ、俺を選んでくれてありがとう」
手をとり薬指の第二関節にキス。
余韻に浸っていると陽は
私の足に頬を乗せて膝枕の状態で深く息を吐いた。
「陽?」
「緊張した。すごく緊張した」
「そんなに?」
「もちろん、何度も言葉を考えてタイミングとか
ずっと図ってたし」
「たくさん考えてくれたんだね、ありがとう」
頭を撫でるとふと顔を上げてその手を掴んだ。
なにをするのかと思ったら
腕を強く引かれて私が押し倒したような形に。
「どうしたの?陽」
「見下ろされるのも悪くないなって」
「発言が変態みたい」
「大好きな人の前では誰でもIQが下がるんだよ」
ニコニコとしていた陽はまた伸ばされている私の手を掴んでニヤッと笑う。
(こういう時は何か企んでいる)
「きゃっ、」
あっという間に逆転。
「やっぱりこっちがいいな」
しれっと指を絡めて固定。
「愛してるよ、渚」
「私も愛してる、陽」
優しくて、でも少し意地悪なキスを交わした。
ほとんど屋敷にいるしあまり恋人らしいことは
できなかった。
それでも別れたいとか不満は1度も浮かばなかった。
私は高校を卒業後、大学でやりたいことがなかった
ため就職。
陽は来月、高校を卒業。
その後は別の職場で働くことになっている。
今日は暁家でゆっくりしている。
「陽、もうすぐ卒業だね」
「そうだね、入学した時は長いなーって思ってたけど
振り返ればあっという間だった」
「私が卒業した時、陽は嘆いてたもんね、
私ももう学校で会えないなんてーって」
「だって本当のことだし」
背丈が変わってもムスッと拗ねる顔は変わらない。
「陽、ありがとう」
「急にどうしたの?渚」
「わかんない、急に言いたくなったんだ」
「なら俺も。ありがとう、渚」
朗らかだった陽はすぐに真面目な顔をした。
「どうしたの?」
「渚、大事な話がある」
緊迫した声に気持ちを切り替えて頷く。
ベッドから離れて小物入れの引き出しから小さな箱を
取り出した。
(それって)
鈍い私でもわかる。
「俺とあなたでは立場が違う。
旦那様のいう通り反対する人も現れる。
それでもあなたと人生を歩みたい。
あなたがいれば俺は幸せだ。
源 渚さん、俺と結婚してください」
隣に座り言い終えると同時に箱を開く。
シンプルな銀の指輪がとても輝いて見える。
(嬉しい、すごく嬉しい。
でも、驚きすぎてうまく反応ができない)
「あ、りがとう。陽」
「俺のプロポーズ、受けてくれる?」
(塩対応すぎて確認を取らせちゃった。
穴があったら入りたい)
一息置いて心を落ち着かせてから答える
「もちろん!」
陽は笑って私の左手をとり薬指に嵌める。
その手は微かに震えていた。
「ありがとう、陽」
「こちらこそ、俺を選んでくれてありがとう」
手をとり薬指の第二関節にキス。
余韻に浸っていると陽は
私の足に頬を乗せて膝枕の状態で深く息を吐いた。
「陽?」
「緊張した。すごく緊張した」
「そんなに?」
「もちろん、何度も言葉を考えてタイミングとか
ずっと図ってたし」
「たくさん考えてくれたんだね、ありがとう」
頭を撫でるとふと顔を上げてその手を掴んだ。
なにをするのかと思ったら
腕を強く引かれて私が押し倒したような形に。
「どうしたの?陽」
「見下ろされるのも悪くないなって」
「発言が変態みたい」
「大好きな人の前では誰でもIQが下がるんだよ」
ニコニコとしていた陽はまた伸ばされている私の手を掴んでニヤッと笑う。
(こういう時は何か企んでいる)
「きゃっ、」
あっという間に逆転。
「やっぱりこっちがいいな」
しれっと指を絡めて固定。
「愛してるよ、渚」
「私も愛してる、陽」
優しくて、でも少し意地悪なキスを交わした。