松之木学園♥生徒会執行部
「ふふん。今やツンキーは一般生徒を殴ろうとした極悪卑劣な悪党ですからね。何を喚こうが避難の的。彼に勝ち目はないです」
「末恐ろしいな」
「何を言っているんですか。売られた喧嘩は叩き壊して熨斗紙を付けて送り返す。それくらいやらないと」
悪どい表情を浮かべてクックックッと笑って見せる私に澤田君は声も無く笑う。呆れたというより頼もしいって意味で。
「お前はホント優しいのか、恐ろしいのか、それともアホなのか、どれだよ」
「全部です」
目を細めて尋ねてきた澤田君に、手を腰に当て、指を指し、顎を上げ、自信満々に言い返す。
全ての要素をひっくるめて私、松戸菜々である。その考えだけは何があろうが譲れない。
「あ、2人とも。ちょうどいいところに居た。少し手伝ってくれない?」
両手に大量のプリントを抱えた理央が私たちを見つけて声を掛けてきた。
隣に居た澤田君がふらりと寄って理央の荷物を半分持つ。それを更に半分持ち、歩きながらプリントに目を通すと体育祭らしいイラストが描かれてあった。
きっと体育祭に向けて集った旗や看板のデザインが返ってきたのだろう。どの旗を候補としてあげるか意見を聞こうと思っているに違いない。