松之木学園♥生徒会執行部
「それだけ周りに凄いのが居るってことは、お前も大物になりそうだ」
「いいえ。平凡ですよ、私は」
「そうか?意外と眼鏡を外すと別人みたいになるとか、そんな設定はねーの?」
「全然。何の変わりもありませんし、素朴なもんです」
「へぇ。どんな?」
「こんなんです」
ほら!と眼鏡を外して澤田君に素顔を見せてみる。そこには絶世の美女……ではなく素朴な私の姿が。
「あんまり変わんねぇな」
「そりゃそうですよ。そんなものです」
「まぁでも、嫌いじゃねぇわ」
「そりゃどうもです」
ヘラヘラと笑って眼鏡を掛け直した私に澤田君はちょっとだけ微妙な顔をした。反応が薄いなー、って。
「おっと。ここはやはりしっかりとドキッとしておいた方がいいです?」
「しなくていい。言われてするもんじゃねぇ」
「えー」
「それよりあれから原谷に絡まれて無いよな?」
「はい。それは全く。皆、姿を見つけると直ぐに知らせてくれるんで」
「そうか」
安心したような表情を浮かべる澤田君にニッコリと愛想の良い微笑みを向ける。
澤田君はここ最近、毎日こんな感じだ。自分が理由で絡まれたこともあってか話す度にチラリとツンキーのことを聞いてくる。心配しなくって私は大丈夫なんだけども。