松之木学園♥生徒会執行部
「いい加減にしろや。腹立つ」
「ああん?」
「こいつには手ぇ出すなって言っただろ」
あまりに理不尽なことを言うツンキーにムカついたのか、澤田君が怒り心頭な顔で立ち上がる。
胸きゅんランキング、ベスト10みたいな台詞を吐いているけど、顔付きを見るからにこちらは生きた心地がしない。焦った雄大が「まぁまぁまぁ」と澤田君を落ち着けにいく。
「澤田君〜。怒らないでよ」
「お前らな……」
「それよりも!僕、疑問なんだけど。原谷君はどうやってピーコを連れ出したの〜?」
怒る澤田君を宥めつつ、颯が目をパチクリと瞬かせ、あどけない顔でツンキーに尋ねる。純粋な子供のような眼差しだ。水族館で泳いでいる魚の名前でも尋ねているような。
「そんなんチョチョイとやって直ぐだ」
「へぇー。凄いね。開けるの難しくなかった?」
「全然、鍵を盗むくらい俺の手に掛かれば余裕よ」
「おー。鍵ってあれ?生徒会室の?」
「おぅ」
「えー!ってことは校長に見つからずに持ち出せたってこと?凄い」
「まぁな。あのババア、時々鍵を開けっぱで出ていくから。その隙をついて中に入ってさ」
天使のような悪魔に誘導尋問され、ツンキーは自分の犯行をペラペラと喋っていく。得意げに話してくれてますけど、あなた。その会話、全て理央に録音されてますよ。
「オッケー?理央。ちゃんと録音できた?」
「バッチリだよ」
証拠を収めてにこやかに笑う颯と理央。ツンキーがしまったって顔をしたけど、もう遅い。悪魔たちの作戦勝ちだ。