松之木学園♥生徒会執行部
「澤田君はなんて言ってるの?」
「しょうがない、って」
「諦めちゃってるのか」
「うん。迷惑が掛かりそうだから生徒会も抜けるって昨日、俺に言ってきた」
「えぇ……。せっかく仲良くなれたのに?」
「一応、俺のところで話は止めてあるけどね」
辞めて欲しくないよね、と皆で言い合う。
開け放った窓から見える空が暗い。真っ黒な雲が一面を覆って雷が遠くの方でゴロゴロと鳴っている。
事態はかなり深刻だ。あの日の私が想像していた以上に。
「せめてツンキーが犯人だと証明出来ればね~。どうにかなると思うんだけど」
しょげていた颯が独り言を言うようにポツリと呟く。それと同時にピーコが飛んできて私を慰めるように自分のお宝を差し出してきた。壊れたカメラの部品。
「あ、だったら……証拠集めをしません?」
「ツンキーが菜々を閉じ込めた犯人だって証明するの?」
「いいね。広報の腕の見せ所だよ」
「証拠を集めてそのまま自白に持っていこう」
提案した私に皆が顔を上げて頷く。
とにかく何もやらないよりはやった方がいい。そんな心境で私たちの証拠集めの日々が始まったのだった。