松之木学園♥生徒会執行部


 「あ、私、階段を上っていく人なら見たよ」


 場所は代わり学校の門の前。ビデオカメラを持って聞き込みをしていた慶彦に女生徒の一人が目撃情報を話し出す。

 その子が言うには部活の練習終わり、補習に出ていた友達と一緒に帰ろうと教室まで行ったところ、準備室のある四階の方へ階段を上っていく生徒を目撃したらしい。

 その時の教室はまだチラホラ人が居る状態。時間的には準備室の鍵が閉められる少し前。四階には使われていない教室が多いし、犯人の可能性が高い。


 「顔とか体型とか覚えてる?」

 「それは見てないや。一瞬だったし」

 「そっか。それは残念」

 「でも、男子生徒だったのは間違いないよ」

 「制服的に?」

 「うん。それに髪がツンツンで珍しい髪型だった」


 探偵並みに聞き込みをする慶彦に笑顔で語る女生徒。慶彦はカメラを構えてご満悦。


 「そう言えば補習終わりに誰かが準備室の鍵を借りに職員室に来たな」

 「本当ですか?」

 「あぁ。中に人が居るのに気付かずに鍵が閉められたとか言って」

 「その生徒は澤田君でした?」

 「いや。別の生徒だったな。それで中山先生が様子を見に行ったから……」


 傍に居た先生もその時の状況を語り出す。

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