松之木学園♥生徒会執行部


 「嫌です。ここに居てください」

 「俺だって転校はしたくねーよ」

 「そんなところに行ってピーコと親睦を深める件はどうなるんです?」

 「それもだけど、お前のアホ丸出しの珍回答が見られなくなるのがなぁ。名残惜しい」

 「え、私に会えなくなるのが嫌なんですか?」

 「そりゃそうだろ」


 そう言って澤田君は私から視線を逸らすと少し寂しそうに笑った。行きたくねーな、って。


 「分かりました。じゃあ、澤田君の彼女であるこの松戸菜々に全てお任せください」

 「おい、待て。いつ俺の彼女になった?」

 「え?今のは遠回しな告白では?」

 「ちげーし」

 「でも、何だかんだ言って私のことが好きでしょう?」

 「だからって告りもする前から返事を出してんな」


 先走った私にビシッとツッコミを入れ、澤田君は「油断も好きもねぇ女だ」と苦笑いを顔を浮かべる。


 うん。ちょっと攻めてみたが、ダメだったらしい。


 でも、否定しないってことはやっぱり好きなんだ?あれだけ心配してくれたり、面倒を見てくれたり、ベタベタしてきたりしてたから、もしかしてそうかなと薄々思ってたけど。


 「分かりましたよ~。ちゃんと師匠として動くんで香織ちゃんを1日貸してください」

 「そこからどうやって香織の話に繋がるんだよ」

 「ダメですか?」

 「別にいいけど、何をするんだ?」

 「そんなの決まっているじゃないですか。ツンキーを成敗するんですよ」



 首を傾げた澤田君に「ふふん」と自信満々な顔を向けた。私に任せてください、と。
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