松之木学園♥生徒会執行部
「あれから原谷に何もされてねぇ?」
「全然。関わって来ないです」
「ならいいか」
「そういう澤田君の状況はどうなんです?」
「あんまり良くねぇけど、家に居るよりはマシ」
「そんなに家に居るのが嫌なんですか?」
「まぁな。あいつら人の顔を見る度すげぇ干渉してくるし」
そう言って苦笑いを浮かべる澤田君。家庭環境について聞くと、どうやら澤田君の親は過干渉かつ過保護らしかった。
顔を合わせる度にあれこれ細かいところまで聞いてきたり、いろいろと意見を押しつけられたり、頭ごなしに口出ししてきたりする。
澤田君はそれが嫌であまり家に居たくないそうだ。思春期ならではの親にうんざりするアレ。
「それだけ澤田君のことを大切に思ってるんですよ」
「大切にするってレベルを超えて毒になってるから」
「そんなに凄いんですか?」
「やべぇぞ。転校の話も出てるし」
しかも行先は山奥の学校。スマホの電波も不安定で遊び場の一つも無いような場所らしい。
マジか。澤田君のご両親たら徹底的すぎる。それは考え直して欲しいなぁ……。せっかく仲良くなったのに会えなくなるのは嫌だ。