松之木学園♥生徒会執行部
「校長!澤田君の件はどうなるんでしょう?」
「理由も理由ですしね。停学は既に消化した日数分で終わりということで」
「だったら留年も転校もしなくて済む⁉」
「はい。ご両親とも話し合った結果、このまま問題を起こさずに頑張れば大丈夫ということになりました」
勢いよく尋ねた私と颯に校長はにっこりと微笑んだ。真面目な顔をして返しているけど、この結果を一番喜んでいるのはきっと校長だろう。
私たちが事前に説明した話の全てに『許可します!それも許可します。そっちも許可。とにかく許可。あれも許可。ここら全部、許可』と、食い気味に言いまくっていたのを思うと。
とにかく転校を阻止よ!と必死だったから。
澤田君のご両親も「息子のためにありがとね」と、ちょっと安堵した表情。
ツンキーのご両親は「ごめんなさいね」と申し訳なさそうに溜め息を吐いた。どんよりと肩を落としたお母さんに「いいんですよ」と返しておく。
「えっ、香織ちゃん⁉どういうこと⁉」
事態を把握したツンキーが目をかっ開き、驚きいっぱいに香織ちゃんを見た。そんなまさか俺を騙してたの?と本気で驚いて。騙されていたことに1ミリも気付いていなかったらしい。
「あはっ、お兄ちゃんの敵討ちみたいな?」
「えぇっっ!酷いよ。香織ちゃん」
「うん。ごめんね。原谷君」
へへ、と小悪魔のような微笑みをツンキーに向ける香織ちゃん。ツンキーはかなりショックを受けたらしく、その場にへたり込んで項垂れた。しかし。
「ちゃんと謝ってたから絶交は解こうかな」
「マジッ?」
香織ちゃんにそう言われて直ぐさま笑顔になった。やっぱり単純。
「後は澤田君に結果を伝えるだけですね」
理央が話を終わらせるようにポツリと呟く。平和な終演。こうして私たちのコミカルな復讐劇は大勝利を得て幕を閉じたのだった。