初な彼女と絆される僕
「中畠さん、ランチ行こ?」
微笑み言ってきた勇剛に、李依は「はい!」と言って微笑んだ。

二人は仲良く、会社を出た。

永輔含め、他の社員達も出払った会社内。
シンと静まり返っている。

基本的にランチは、みんな外に出るので誰もいなくなる営業部。

しばらくして、葛原が一人帰ってきた。
仕事があまり捗らなくて、昼休みを使って仕事をするためだ。

あんなことを言っておいて、自分が残業することになりでもしたら、益々立場がなくなる。

黙々と作業を進めていると、会社の電話がかかってきた。
「はい、守原ホールディングス営業部、くす―――――」
「あー、中畠さん?」 
葛原が名前を言う前に、相手が李依だと勘違いして話し出す。

「え?」
「悪いんだけどー、明後日の商品確認にハラエくんが来るって言ってたやつ、明日に変更してもらえないかな?」

「え?」
「急で悪いね。出来る?
ハラエくんに確認して、今日中に折り返し連絡ちょうだい!」

「はい、わかりました!」
「頼むね〜」

李依だと勘違いしたまま、切られてしまった。
葛原は李依にメモを書こうとして、動きが止まった。

“ちょっと、痛い目をみせてやろう”
そんな気持ちで、葛原はあえてメモを残さずに仕事を再開した。

そして勇剛達社員が、ランチから戻ってくる。

午後もみんなそれぞれ、仕事をしていると――――――

「―――――中畠さーん!
ウシクラさんから電話〜
三番!」

「はい!
――――――代わりました、中…………」
「中畠さん!!まだ!?
返事は!?」

「え……?」
「いつもなら、今日中にって言っててもすぐに確認して連絡くれるだろ!?
君も忙しいのはわかるけど、こっちも急いでるんだ!!
ハラエくん、大丈夫だって?」

葛原が受けた電話の主・ウシクラが、怒鳴り込んでかけてきた。
でも、李依にはさっぱり何のことかわからない。

「も、申し訳ありません!
えーと…何の、要件のことでしょうか…?」

「は?
君、ふざけてるの!?
商品確認の件!!
明後日を明日にしてほしいって、昼に電話したよね!?」

「え……」
昼?
電話なんか受けてない。
でも、それはウシクラには関係のないことだ。

李依は「すみません!すぐに確認します!」と言い、ハラエに確認を取った。
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