初な彼女と絆される僕
初めての夜
「――――じゃあね、李依。
また明日!
朝、迎えに行くから一緒に行こうね!
あと電話、いつでもしておいで?
李依からの連絡、大歓迎だからね!」

アパートの前で微笑み言った、勇剛。
だいたい毎回、こんな風に勇剛は手を繋いでない方の手で李依の頬に触れ言うのだ。


「あ、あの!ゆ、勇剛さん!」

いつもなら、ここで顔を赤くしながら「はい/////」と返事をして、勇剛にギリギリまで見送られながらアパートに入る、李依。

今日は違った―――――――

「ん?なぁに?」

「う、家に、上がりませんか?
こ、コーヒーでも……/////」

まだ、離れたくない。
もっと、話をしたい。

そんな想いで、勇剛に言った李依。

珍しく、勇剛の表情(かお)が曇った。

「え……ゆ、勇剛…さん?」

「ごめんね。
家には上がらないよ」

「え?あ、じゃ、じゃあ……あ!勇剛さんのお家でも!」

「ダメだよ」

「え……」

「李依」

「は、はい!」

「きっと李依は、この意味がわからないんだろうけど……安易にそんなことを言っちゃダメだよ?」

「え?そ、そんなつもりは……」

「じゃあ、いいの?」

「え?」

「家で二人になったら……
僕は確実に襲うよ?」

「………」
(ん?襲う?
襲うって………
……………あ!!?///////)
バッと顔が赤くなる、李依。

「わかった?
大切にしたいんだ、李依のこと。
経験ない李依に“怖い思いを”させたくない。
“そうゆうことは”もっと、慎重にしたいと思ってるんだよ?
わかってくれるかな?」

「あ…は、はい!
す、すみません!!」

「ううん!
でも“家に上がって”って言うってことは、まだ離れたくないって思ってくれてるってことかな?」

「はい…
寂しいなって……」

「僕もだよ」

「え?」

「僕も寂しいし、離れたくない」

「はい」
(良かった…同じ思いでいてくれた!)
思わず、笑みが溢れる。

「うーん…
李依。今度、僕のマンションに泊まりに来る?」

「……/////え!?」

「どう?
怖い?」

「い、いえ…
そんなことは……//////」
(“泊まり”ってことは…
“そうゆうこと”だよね。
緊張するけど……
でも、勇剛さんとなら……!)

李依は、顔を真っ赤にして勇剛を見上げ頷いた。
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