初な彼女と絆される僕
“じゃあ…来月頭の土日にしよう。
いい?”


そう約束し、後日李依は裕弓とショッピングに出かけていた。

「で?何を買うの?」

「勝負下着!」

「………」

「ん?ヒロちゃん?」

「…………プッ…!?
それ、そんな真顔で言うこと?(笑)」
クスクス笑いだす、裕弓。

「あー、また笑うんだから!」

「だってー(笑)」
裕弓は、腹を擦り笑いを堪えながら李依を見ていた。



「―――――これなんか可愛いんじゃない?」
ランジェリーショップで、ブラジャーを広げ言う裕弓。
「ほんとだ!可愛い〜」
李依も微笑む。

「あ!これは?」
「可愛い〜!」

「「…………あ!
これ、可愛い〜!」」

時間をかけて選別し、購入した李依。
今は、裕弓とカフェにいた。

「ヒロちゃん、ありがとう!」
「ん!
明日だっけ?」

「うん。
明日(金曜日)の仕事終わりに、そのまま勇剛さんのマンションに行こうってことになったの!」

「そっか!
フフ…まぁ、楽しみなよ!
あんま、緊張しないでさ」
「うん、そうだね」

「フフ…もう既に緊張してる…(笑)」
「………」
李依のカップを持つ手が、心なしか震えていた。

「李依」
「ん?」

「嫌なら、ちゃんと断るんだよ?」

「え?
嫌だなんて思ってないよ?」

「でも、震えてる。
もう夏なのに」

「き、緊張…してるだけ…」

「それだけ?」

「え?」

「嫌…ってゆうか、怖いんじゃないの?」

「………」
弾けるように裕弓を見る、李依。

「やっぱり…」

「上手く出来なかったらどうしようって…」

「上手く出来る人なんていないわよ?」

「え?」

「…ってゆーかさ。
そんな余裕、私はないよ」

「え?え?」

「だって“愛し合う”んだよ?
“上手く出来る”とか“どうすればいい”とか、そんなこと考える余裕なんてない。
ただ…“好き”って感情だけ。
だから私も“自然と”彼の身体にキスしたり、彼から与えられる愛撫を“気持ちいい”と思うんだし。
もちろん、初めての時は何も出来なかった。
私も、緊張でほとんど覚えてない。
でも言えるのは………」

「うん」

「ただ…彼が好きだってことと、ただ“幸せ”だったってこと」


「ヒロちゃん…//////
うん…!そうだよね!」

裕弓の表情が、とても綺麗で。
李依は、モヤモヤしていたものが晴れていくのを感じていた。
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