初な彼女と絆される僕
朝食中も楽しく会話をしながら過ごし、ゆっくりしてマンションを出た。

指を絡めて手を繋ぎ、街まで歩く。
微笑み見上げてくる李依が可愛い。

僕も自然と、微笑んでいた。

もうすぐ、目当てのジュエリーショップに着くという時。
李依が「あ!」と思い出したように、声を上げた。

「ん?何?」

「煙草!」

「え?」

「勇剛さん、煙草は吸わなくていいですか?」

「………」
突然の発言に、僕は目をパチパチさせていた。
全く、この言葉の真意がわからない。

李依は時々、突発的な言動をする。

ピュアで真っ直ぐな性格である故なのか……?

どうして煙草の話になったのだろう。
……というより、僕が煙草を吸うことをどうして知ってるのだろう。

「勇剛さん?」

「あ、ごめんね。
どうして、そんなこと聞くの?」

「え?だって、ベランダに灰皿があったのを見たので…
私、勇剛さんが煙草を吸うこと、その灰皿を見るまで全く…というより、検討もつかなかったです」

「そりゃそうだろうね。
誰にも言ったことないから。
職場のみんなも知らないんじゃないかな?
家の中で、しかも夜しか吸わないから」

「でも、昨日は家の中でも吸ってないですよね?」

「李依がいるんだよ?
吸うわけないでしょ?」

「私のことはお気になさらず!
いいんですよ?」

「ううん。大丈夫だよ。
もちろん、遠慮もしてないからね?」

「……そう…ですか?」
李依は何故か、肩を竦ませた。

ん?
もしかして………

「見たいの?煙草吸ってるとこ」

「え!?」
わかりやすく動揺する、李依。

やっぱり……!

「じゃあ、一本吸おうかな?」
そう言うと、パッと李依の表情が明るくなった。

ジュエリーショップに入る前に、外にある喫煙スペースに向かった。
僕が煙草を吸うのを、李依は目をキラキラさせて見上げていた。

面白い娘だな(笑)
李依といると、全然飽きないな。

僕はそんな事を考えていた。

そして、目的のジュエリーショップへ向かう。

そこでも李依は、目をキラキラさせて見ていた。


色々見て回り、新作のペアリングを購入した僕。
「私にも払わせてください」と言う李依に「カッコつけさせて?」と言い聞かせる。

そして、李依の左手の薬指にはめた。

“李依のこれからの未来が、僕のモノになりますように”

そんな想いを込めて。
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