初な彼女と絆される僕
狂おしい三角関係
暑い日が続く、夏真っ盛り。


勇剛達の職場も、暑さに負けそうになりながら仕事に励んでいた。

「――――お疲れ様でーす!」

「お疲れ様!
守原さん、凄い汗……(笑)」

「だろ?(笑)
あー、近づかないで!
マジで俺、汗臭いから!」

外回りから帰ってきた永輔が、汗だくになっていた。
それに気づいた李依が、お茶を持って近づく。

「あ、じゃあ…お茶デスクに置いておくね!」
「ん、サンキュ!」

そんな姿を、勇剛は見つめていた。

最近、李依と永輔の距離が妙に近い。
勇剛は、永輔に嫉妬心を募らせていた。

李依は至って普通なのだが、永輔が李依に構うのだ。


「――――中畠!これ!」
「え?
あ!こ、これは……!!
○○のプレミアムプリン…!!」

「やるよ!」
「いいの?」

「あぁ!プリン、好きだろ?」
「うん!ありがとう!」


「――――中畠!ちょっと、これ纏めるの手伝って!」
「うん、良いよ!」 

「お礼に、プリン買ってやるからさ!」
「プリン!?
…って、そんなのいいよ(笑)
仕事なんだから」

――――――――という風に。


「―――――お疲れ様です!!」
「お疲れ様でーす!」

退社時間になり、社員達が退社していく。
李依が、勇剛のデスクに向かう。

「課長、帰りましょう!」
「あ…ごめんね…
まだ、終わらなくて……」

「あ、じゃあ…お手伝いさせてください!」
「ううん。
僕が目を通すものばかりだからね…
気持ちだけもらうよ!
ありがとう!」

「あ…そうですか…
じゃあ…お先に――――――」

「あ!李依!」
丁寧に頭を下げ、踵を返す李依を呼び止める。

「はい」  

「急いで終わらせるから、良ければ○○(会社近くのカフェ)で待っててくれない?」

「待ってて良いんですか!?」
パッと表情が明るくなる、李依。

「うん、待っててほしい!」

「はい!!」
勇剛が微笑むと、李依も嬉しそうに笑った。


最近忙しく、ゆっくり出来ていない勇剛と李依。
勇剛のマンションに李依は泊まりに行っても、勇剛が遅くなり一緒に寝るだけになっていた。

勇剛のマンションで帰りを待つのも構わないが、結局寝るだけになる。
しかも勇剛に抱き締められると、すぐに眠気が襲い、話もままならないまま眠ってしまう李依。

互いに寂しさを抱えていた。
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