初な彼女と絆される僕
李依が出ていき、窓の外を見る。

ちょうど李依が駆けていった所に勇剛がいて、二人は微笑み合って手を繫ぎ合った。

勇剛を見上げる李依の表情(かお)が、あまりにも甘い。

先程まで一緒にいた李依とは別人のようだ。

「ほんっと……好きなんだろうな……」

永輔がポツリと呟く。
そして、髪の毛を乱暴にかき上げた。

「ヤバい……泣きそう……」
また呟いて、天井を見上げた。

彼女と別れた時は“悲しみ”なんて微塵もなかったのに、勇剛と李依を見ただけで“悲しくて苦しい”

俺は………そこまで、中畠のこと――――

永輔は何かを決意したように立ち上がり、店を出たのだった。


一方の勇剛と李依。

「ごめんね、お腹空いたよね?」
「少し(笑)」

「だよね(笑)
何食べようか?」
「勇剛さんが決めてください!」

「うーん…もう遅いし、軽く済ませようか」
「はい!」

「ん。じゃあ…何か買って僕ん家で食べよう!」
「はい!
じゃあ…もう少し行った所に、おにぎり屋さんがあるのでそこはどうですか?」

「うん、そうだね!いいよ!」

店に行き、おにぎりを選ぶ。
「ん?李依、それだけ?
もう一つくらい、食べた方がよくない?」

「あ、あんまり…お腹空いてなくて…その……」

「ん?
体調は?大丈夫?」

「はい、元気ですよ!」

「ほんと?無理しないで?」
頬に触れる勇剛。
心配そうに眉をひそめている。

「あ!ほんとに!大丈夫ですよ!無理してません!ほんとに!」

「だったらいいけど…
李依は、僕に気を遣うからね。
素直で真っ直ぐだけど、変な所気を遣うでしょ?」

「そ、そんなことは……」

「じゃあ“本当は”何?」

「……………ったんで…す……」

「ん?」
俯き、ボソボソという李依に耳を寄せる。

「太ったんです…!!」

「………」

「このままじゃ…勇剛さんに身体見せられません!!」
少し怒ったように言ってきた。

「…………フッ…!!」
思わず、噴き出してしまう。

李依が、あまりにも可愛くて……

「あー、どうして笑うんですか!?」

「いや、可愛いなって!」


「勇剛さん、酷いです!」

李依はそっぽを向いてしまった。
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