初な彼女と絆される僕
それから一緒に風呂に入り(太ったから別々でと言う李依に“太っても大好きだから”と言い聞かせ、半ば無理矢理入った)勇剛のTシャツと短パンを着た李依。

「短パン、紐で縛れば…
なんとか、落ちないよね?」

ダボッとした格好の李依。
勇剛は「可愛い!」と微笑んで、何度も口唇にキスをする。

とにかく可愛くて、抱きたい衝動に駆られる。
でもベッドに入ると、眠そうに目をトロンとさせる李依を見て、押しつけちゃダメだと必死に抑えた。

ゆっくり頭を撫でてあげると、安心したように眠った。

「…………言えなかった…」
眠っている李依を見下ろしながら、ポツリと呟く勇剛。

本当は、今日“坊ちゃまとあんまり仲良くしないで”とお願いするつもりだった。

勇剛は、永輔の気持ちを察していた。

何か……とんでもない事が起こりそうで、不安だったから―――――――



そして……数日後。

「――――は?李依……いや、中畠さんと…!?」

「はい。
中畠が今、一番手ぇあいてるので。
いいですよね?課長」

永輔と対等している、勇剛。
永輔に、泊まりの出張が入った。
一人同行させていいかと言われ、了承すると“李依に同行してもらいたい”と言ってきたのだ。

「………」

良いわけない。
よりにもよって、なぜ“坊ちゃま”なんだ!?

「課長」

「何?」

「“公私混同はしない”
……んですよね?」

「――――――!!!」

「そうゆうことですので。
――――――中畠!今度の出張、ついてきてよ!
お前が手があいてるし、今後の勉強にもなるだろ?」
勇剛の返事を待たず、軽く頭を下げ李依に声をかける。

「あ、う、うん。わかった…!」


そして出張の前日。
抑えられない嫉妬心と不安感を李依にぶつけている、勇剛。

「ごめんね…ごめんね……」と謝罪の言葉を繰り返しながらも、抑えられなくて夢中で貪っていた。

それでも李依は「大丈夫ですよ、仕事に行くだけですから」と安心させるように受け止めていた。


そして夜が明けて、勇剛は李依に何度も謝罪していた。

「身体、大丈夫!?
ごめんね、ごめんね……!」

「少し眠いけど……大丈夫です!」

「気を…つけてね……!」

「はい!
あ、連絡しますからね!」

「うん!ありがとう!」

勇剛が待ち合わせの駅まで送り、李依は小さく手を振って駅に入っていった。
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