お針子は王子の夢を見る
「今は急ぎの仕事はないもの」
「みんなで縫えば間に合うわ」
「きっと大丈夫よ」
口々に言う。
「みんな……」
ルシーの目が潤んだ。
「さあ、そうとなれば急ぐよ!」
マノンが言うと、全員が「はい!」と答えた。
熱いものがあふれてきて、ルシーはこっそり目を拭った。
ドレスの作成は順調に進んだ。流行よりもデザインはシンプルだが、そのおかげで布地の美しさが引き立った。
前のドレスの破片でも袖口のレースなど、使えそうなものは再利用した。
また、破片の布で白薔薇を作った。母との思い出の造花の薔薇。これを身につければ母と一緒に舞踏会に出られるようで、心強く思った。
ストマッカーと呼ばれる、胸からウエストにかけてのV字型の部分に造花を飾った。
同じように薔薇の髪飾りを作った。
ドレスのガウン部分は襟から裾に渡って金の花模様の縁飾りを入れた。袖口はたっぷりとギャザーを寄せて、レースを重ねた。
舞踏会の前日までかかり、なんとか完成した。
最後の一針はルシーが縫った。最後の玉止めをして、糸切り鋏で糸を切る。
「終わりよ」
ルシーが言うと、わっと歓声がわいた。
「良かった!」
「おめでとう!」
拍手をしながら仲間が言う。
「みんなのおかげよ! 本当にありがとう!」
ルシーは同僚の一人ひとりにハグをしてお礼を伝えた。
「お迎えは店に来るから、工房で着替えて行きな。シェルレーヌは私が見ておくからね」
マノンが目頭をおさえて言う。
「ありがとうございます」
ルシーは再びお礼を言った。
「みんなで縫えば間に合うわ」
「きっと大丈夫よ」
口々に言う。
「みんな……」
ルシーの目が潤んだ。
「さあ、そうとなれば急ぐよ!」
マノンが言うと、全員が「はい!」と答えた。
熱いものがあふれてきて、ルシーはこっそり目を拭った。
ドレスの作成は順調に進んだ。流行よりもデザインはシンプルだが、そのおかげで布地の美しさが引き立った。
前のドレスの破片でも袖口のレースなど、使えそうなものは再利用した。
また、破片の布で白薔薇を作った。母との思い出の造花の薔薇。これを身につければ母と一緒に舞踏会に出られるようで、心強く思った。
ストマッカーと呼ばれる、胸からウエストにかけてのV字型の部分に造花を飾った。
同じように薔薇の髪飾りを作った。
ドレスのガウン部分は襟から裾に渡って金の花模様の縁飾りを入れた。袖口はたっぷりとギャザーを寄せて、レースを重ねた。
舞踏会の前日までかかり、なんとか完成した。
最後の一針はルシーが縫った。最後の玉止めをして、糸切り鋏で糸を切る。
「終わりよ」
ルシーが言うと、わっと歓声がわいた。
「良かった!」
「おめでとう!」
拍手をしながら仲間が言う。
「みんなのおかげよ! 本当にありがとう!」
ルシーは同僚の一人ひとりにハグをしてお礼を伝えた。
「お迎えは店に来るから、工房で着替えて行きな。シェルレーヌは私が見ておくからね」
マノンが目頭をおさえて言う。
「ありがとうございます」
ルシーは再びお礼を言った。