清くて正しい社内恋愛のすすめ
入り口でカードリーダーに社員証をかざし、ロックを解除する。
中に入ると途端に、学校の図書室を思わせる紙の匂いが鼻先をかすめた。
ここは過去からのパンフレットなど、膨大な量の資料が保管されている場所だ。
今は様々な資料を電子化保存しているが、旅館のパンフレットなどはまだ紙媒体のものが多いため、こうやって現物をファイリングしている。
穂乃莉もパソコンの画面で見るよりも、実際に手に取ってページをめくる方が好きなタイプだった。
「おい」
ついファイルに気を取られていた穂乃莉は、突然頭の上から声がして、ビクッと大袈裟に振り返った。
加賀見は余裕の笑みを浮かべながら、棚に片手をついて穂乃莉を間近に見下ろしている。
「俺のこと、追いかけて来たんだ?」
背中を棚にぴたりとつけ、加賀見に両サイドを塞がれた穂乃莉は、ドキドキとやたらと鳴り響く鼓動を感じ出した。
急激に体温が上昇しているのは、自分でも痛いほどにわかる。
中に入ると途端に、学校の図書室を思わせる紙の匂いが鼻先をかすめた。
ここは過去からのパンフレットなど、膨大な量の資料が保管されている場所だ。
今は様々な資料を電子化保存しているが、旅館のパンフレットなどはまだ紙媒体のものが多いため、こうやって現物をファイリングしている。
穂乃莉もパソコンの画面で見るよりも、実際に手に取ってページをめくる方が好きなタイプだった。
「おい」
ついファイルに気を取られていた穂乃莉は、突然頭の上から声がして、ビクッと大袈裟に振り返った。
加賀見は余裕の笑みを浮かべながら、棚に片手をついて穂乃莉を間近に見下ろしている。
「俺のこと、追いかけて来たんだ?」
背中を棚にぴたりとつけ、加賀見に両サイドを塞がれた穂乃莉は、ドキドキとやたらと鳴り響く鼓動を感じ出した。
急激に体温が上昇しているのは、自分でも痛いほどにわかる。