清くて正しい社内恋愛のすすめ
「単刀直入に聞きます。あなたは随分と、加賀見陵介くんに付きまとっているようですが、何か関係がおありなのですか?」

「えっ……」

 白戸は絶句するとそのまま固まったように動かない。

 まさか自分がストーカーまがいの行為をしていたところを、誰かに見られていたとは思いもよらなかったのだろう。


 東雲はふっと息を吐くと、白戸に笑顔を向ける。

「加賀見くんが、久留島穂乃莉さんと恋人同士ということは、御社では有名な話のようですね。それなのに、いつも後をつけているあなたは、いわゆる……」

「違います!」

 東雲の言葉を遮るように、白戸が真っ赤な顔を上げる。

「違う、とは?」

「私はストーカーじゃありません!」

「ほお?」

「それに、あの二人だって……」

 白戸はそこまで言うと口をつぐむ。

 東雲の視線が一瞬鋭く光る。


「東雲社長こそ、どうしてそんな事を気にされるんですか?」

 東雲は何も答えない。

「あっ、もしかして。あのお嬢様を落としたいとか? そんなの、あと少し待てば簡単ですよ」

「それはどういう意味ですか?」
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