添い寝だけのはずでしたが
「いやまあ、あれだけ虐げてれば普通は逃げるだろ。よっぽど水島家に弱みを握られてるんだな。よく耐えてる方だと思うぞ?」


「最初は女なんて鬱陶しいと思ってたしな……やり過ぎたって反省してる。一緒に過ごすうち、いつの間にか寧々の魅力にハマってた……」


 そう言ったら、思いっきり突き飛ばされた。


「やめろよ~。ノロける葵とか見たくないわ! 恋のパワーって人間性までを変えるんだな」


こいつ、完全にバカにしてるよな。


だけど渋谷には何を言われても、受け流せるから不思議だ。


まあこいつとはお互いプライベートに踏み込んだことも話しているし、今回寧々のことだけは言えずにいた。


もっと早く話していれば色んな面で協力してもらえたし、寧々に苦労をかけることもなかったのかもな。


「そこで相談がある」


 キスをしようとしてから、寧々への対応が分からなくなったことを渋谷に話してみた。


すると笑いが止まらなくなったらしく、全く話にならない。


「葵がそんな風になるって、寧々ちゃん最強!」


 こっちは真剣に相談してるのにな。


失礼なやつ……。







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