添い寝だけのはずでしたが
「私が葵さまと別れたら……エマちゃんのなにかが変わるの?」


「はあ?」


「このことだって、バレたら……葵さまになにをされるかって考えないの?」


「エマにだって考えはあるの。それにパパが言ってた……水島グループを妨害する方法なんていくらだってあるって」


 お父さんのことはよく知らないけど、これまでのエマちゃんの言動からして、そういうこともやりかねないと思ってしまう。


「ねえ、葵さまと別れるの? どうする」


「…………」


「また後で見に来るから、その時までによく考えておいて」


 そう言い残して、行ってしまった。


 スマホを取られたし、誰かに連絡をすることもできない……。


 宇治山くんのことは別で考えても、葵さまが不利になるなら、もう学園へは通わないっていう選択肢しかないよね。


ここでの生活は辛いこともあったけど、友達もできたし、結果的には楽しいことの方が多かった。


 学園を離れるときが辛くなると葵さまが言っていたけど、それが現実になってしまうときが来てしまった……。




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