添い寝だけのはずでしたが
怒っていたり、笑っていたり、泣いていたり……。


 全部俺に向けられていたんだよな。


 変な意地を張らずに、もっと素直になればよかった……。







そして、不思議な感覚に襲われる。


懐かしい声が、頭の中でこだまする。


「葵さま……私はずっとお側にいますからね。寂しいときは、素直にそう言えばいいんですよ」


 どうして勝手にいなくなるんだよ。


 ここは暗くて怖くて、虚無な空間だ……。


 俺の周りには……いつも誰もいない。


 気が付くと、みんな離れていく。


 思ったことを言ったまでだ、やりたいことをやれと言われているからそうしているだけ。


 人に弱みを見せたら負けだと思っている。


 小さくて憶病で逃げたい気持ちを人に悟られてはいけない。


 俺はいつも立派で、例えそれが傲慢にとられたとしても、強くなければいけないんだ……。







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