添い寝だけのはずでしたが
受け入れたくないけど、受け入れるしかないのかな……。


「なにか……問題でもありましたか」


「その逆よ。葵さまの活躍は目を見張る物があるわ。不眠症も完治とは言えずとも回復しているし……留学の予定を早めようと、社長が動いているの」


 留学!?


 そんな……知らなかった……。


「葵さまもご存じよ。聞いていなかったのね……」


 まったくそんなことは聞いたことがないし、素振りもなかった。


 そうだったんだ……。


 知らなかったのは、私だけ……。


 葵さまと信頼関係が結べていると思っていたし、これにはかなりショックを受けてしまった。


 折りを見て話そうと思っていたんだよね。


 私を傷付けないように……。


 きっと、そう。


 それでも話して欲しかった……と思うのは、私のわがままなのかな。


「分かりました……」


「また詳しいことは説明するわね。今まで本当にありがとう……」


 なにこれ……。


 結局私は、ただのメイドってことだよね。


自分の立場もわきまえず、葵さまのことを好きになった。


その報復のようなもの……。



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