添い寝だけのはずでしたが
私のところに来るわけがないし素通りするのかと思えば、エマちゃんから私を奪うように抱き締める。


え……ええっ!?


「こいつ、もらってく」
 

いや、ちょっと私を物みたいに……って、それは置いておいて、どうしていきなりそうなの!?
 

葵さまが強引に私を連れて歩き始めると、エマちゃんが追いかけてきた。


「待ってよ、葵さま! 寧々ちゃんは私と一緒に食べるんだよ?」


「そうだ……これ、返させてもらう」
 

そう言って、葵さまは私の髪からピンを外して床に叩きつけた。


なっ……何をするの!?
 

慌てて拾おうとすると、葵さまはそれを許してくれなかった。


「拾ったら、即解雇だ」
 

しかも顔を寄せ、耳元で言うなんて……なんだか色々反則な気がする。


エマちゃんには完全に誤解されているだろうし、せっかく友達になったのにあまりにひどい対応で合わせる顔がない。


ちらりとエマちゃんの方を振り返ると、ぷくっと頬を膨らませていてそんな姿さえかわいかった。


酷いことをして、ごめんね。


葵さまに逆らうことはできないから、今は従うしかないの……。


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