Dying music 〜音楽を染め上げろ〜
「え、どしたの。」
目の前にいるのは制服のままずぶ濡れのCyan。リュックだけで、こんな雨だというのに傘をさしていない。
つーか、何でここにいるんだ?清条の最寄りでもMidnightの最寄りでもないぞ?
「Cyanどうした?」
近づいてそう声をかけるとCyanはゆっくりと顔を上げた。
顔が真っ赤だ。涙目……泣いてる?
「……コード、さん……うぇぇっ……うぅ~っ……」
急にボロボロと泣き始めた。
え、え意味わかんない。
何があったんだよ
急に泣かれるとこっちも困る。
「何で泣いてんの?傘もささないでどうしたんだよ?」
動揺しながらもそう聞く。するとCyanは急に抱きついてきてさらに泣いた。
「ちょっと!」
「また、……まえとい、っしょだ……、も、……やなのに…」
嗚咽交じりにそう話してきた。
何だ?
「何だって?ん?」
言葉をすべて聞き取れず、もう一度聞き返す。
「おれが…、こわした…。みんながっ、……ばんど……しよって……なの、に…いつ、も……っ……」
Cyanはそれだけいうとそのままグダっともたれかかってきた。
バンド…。
これは仲間内で何かあったな。コイツがここまで泣きじゃくるってよっぽどのことだ。
てか、何?寝た?それとも失神か?
どっちみちこんな状況で置いては行けないんだけれど。
誘拐犯って思われるのも嫌だし…。
Midnight送るか?
あれ、でも今日って臨時休業って言ってたか……。
~~あ~~もう!
「cyan、ちょっと歩くよっ。おっと……そう前向いて……」