呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 もちろん、庭師にトゲを処理させた後の薔薇の花だったというのに、侍女たちは半狂乱になって、それを拒んだ。

「なりませんっ! 薔薇なんてとんでもない!」
「指にトゲを刺して、血でも出たらどうします!」

 私が呪われた身であることを隠すため、侍女たちは必死だ。
 呪われた私の血は危険とされている。
 
 ――でも、お兄様は無事だったのですけどね。

 呪いの発動には、一定の条件があるのではないかと思う。
 少なくとも、私を物理的に殺そうとした人間は、全員呪われていることだけは確かだった。
 だから、お父様は毒殺を選んだ……

「シルヴィエ様に薔薇の花を近づけないでくださいっ!」

 侍女たちは必死に薔薇の花から、私を遠ざけた。
 薔薇の花を渡そうとしただけのアレシュ様は、なにがなんだかわからないという顔をしていた。
 私を探していた帝国の兵士たちが、騒ぐ声に気づき、荒い足音ををさせてやってくる。

「アレシュ王子! 先ほどのように鳥をけしかけて、我々を追いやるというのなら、ドルトルージェ王国側から、帝国への攻撃とみなしますぞ!」

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