呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
兵士たちの言葉に答えたのは、アレシュ様ではなく、国王陛下だった。
「薔薇の花を渡すだけで戦争とは、帝国が考えることはよくわからんな」
いつの間にか、寝そべっていた茶色の犬が起き上がり、国王陛下の隣に侍り、唸り声を上げながら鋭い牙を見せた。
犬の低い唸り声に、兵士たちが怯んだのを見て、国王陛下は笑った。
「ああ、安心したまえ。とても賢い犬だ。敵にしか噛みつかない」
さすがに国王陛下が相手では、兵士と侍女は失礼なことを言えず、『帝国では』『帝国が』と、騒がなくなった。
「シルヴィエ様は病弱でいらっしゃいますから、必要以上にお体を気遣ってしまうのです。なにかあれば、私たちの首が飛びます」
「ドルトルージェ国王陛下。私たちの立場をご理解いただけますよう」
侍女はうまく言って、私の呪いを隠す。
「さっ! シルヴィエ様。お部屋へ戻りましょう!」
アレシュ様は、侍女と共に去っていく私を追いかけようとした。
けれど、それを国王陛下が止めた。
「アレシュ。結婚式が終わるまで待て」
「父上……」
私とアレシュ様が、話すことができたのは、ほんの一瞬の時間だった。
「薔薇の花を渡すだけで戦争とは、帝国が考えることはよくわからんな」
いつの間にか、寝そべっていた茶色の犬が起き上がり、国王陛下の隣に侍り、唸り声を上げながら鋭い牙を見せた。
犬の低い唸り声に、兵士たちが怯んだのを見て、国王陛下は笑った。
「ああ、安心したまえ。とても賢い犬だ。敵にしか噛みつかない」
さすがに国王陛下が相手では、兵士と侍女は失礼なことを言えず、『帝国では』『帝国が』と、騒がなくなった。
「シルヴィエ様は病弱でいらっしゃいますから、必要以上にお体を気遣ってしまうのです。なにかあれば、私たちの首が飛びます」
「ドルトルージェ国王陛下。私たちの立場をご理解いただけますよう」
侍女はうまく言って、私の呪いを隠す。
「さっ! シルヴィエ様。お部屋へ戻りましょう!」
アレシュ様は、侍女と共に去っていく私を追いかけようとした。
けれど、それを国王陛下が止めた。
「アレシュ。結婚式が終わるまで待て」
「父上……」
私とアレシュ様が、話すことができたのは、ほんの一瞬の時間だった。