呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 部屋までの道を歩く。

「シルヴィエ様。使命をお忘れですか?」 

 侍女の声が氷のように冷たく、私を蔑んだ目で見る。

「あのようなお茶会で喜ばれるなんて、お可哀想な皇女」
「ご一家だけのお茶会だなんてあり得ません。帝国の皇女を招待するなら、大規模なお茶会にするべきです」

 お茶会の内容にまで、口を出さなかったことを考えると、内容はとても素晴らしいものだったことがわかる。

「とても素敵なお茶会でした。私を毒薬で脅し、怯えさせたと思っていらっしゃるようですが、それは違います」

 私の言葉に侍女たちの足が止まる。

「明るくお優しいご家族に、迷惑をかけたくなかったからです。あなたがたの態度は侍女として、相応しくありません」

 侍女たちを敵に回すつもりはなかったけれど、こうなったからには仕方ない。
 暖かいはずのドルトルージェ王国に、冷たい空気が漂う。

「シルヴィエ様。結婚式まであと少しでございます。敵国との婚姻を嫌がって、皇女が命を絶ってもおかしくありません」
「それは、脅しでしょうか?」
「いいえ。たとえ話です」

 侍女たちは強気な態度を崩さない。

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