呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 ――誰かに細かく指示されている。

 この計画の発案者はお父様かもしれないけど、中身は違う。
 お父様は細部まで、命じるような細やかな性格をしていない。
 後は任せたと言って、大臣や周囲の人間に丸投げするタイプである。
 
 ――お父様の計画なら、隙があるはずでしたのに……。

 だからこそ、アレシュ様と二人で話す時間を作れると思っていたのだ。
 
「皇帝陛下の名を借りて、誰がこの計画を主導しているのですか?」

 ここで初めて、私はその名を尋ねた。

「帝国の尊き身、次期後継者でいらっしゃるラドヴァン様です」
「お兄様が……」

 この暗殺計画を主導するのは、お父様ではなくお兄様。
 帝国の汚点である私を始末し、敵国の力を削ぎ、次期皇帝として即位するため、着々と準備を進めている――というところでしょうか。

「シルヴィエ様。お喜びください」 
「喜ぶ?」
「皇帝陛下の代理として、ラドヴァン様が結婚式にご出席されます。計画がうまくいくよう手助けしてくださいます」
 
 お兄様が結婚式に参列する――ということは、今よりずっと厳しい監視の下に置かれる。
「シルヴィエ様。結婚式が楽しみですわね」

 私は返事ができなかった。
 兵士と侍女に囲まれ、身動きできないまま――結婚式の日がすぐそこまで迫ってきていた。

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