呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
「さすが我が娘だ。危険であるにも関わらず、敵国を恐れていない」

 すっかり父上はロザリエの言いなりだ。

「しかし、ロザリエ。お前を敵国へやるのは心配だ。なにかあったら困る」
「でも、お父様。ずっと皇宮にいるのは、退屈なんですもの」
「先週、離宮へ行ってきたではないか」
「私もお兄様みたいに、外国へ行ったり、遠出したいの。お友達の令嬢から、温暖な南のほうへ旅行したって自慢されたんだから!」

 ロザリエは旅行の自慢話を聞いたらしく、友人の令嬢が羨ましくて仕方ないようだった。
 レグヴラーナ帝国は北に位置する国で、寒い時期が長い。
 帝国の富裕層は冬になると、温暖な場所へ旅行する者が多かった。
 体が弱いロザリエは、簡単に国を離れられず、旅行も近場のみ。
 だが、外交は遊びではなく、公務である。
 そして、今回は重要な計画が、裏では動いている。
 
『ドルトルージェ王国第一王子のアレシュ暗殺』

 この計画を成功させ、父上の信頼を得て、後継者としての地位を固めるつもりでいる。 
 なおさら、ロザリエを連れていけるわけがなかった。
 父上もそれをわかっている。

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