呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
「うーむ……。大臣。ロザリエのために、なにかできることはないか?」

 皇帝陛下に命じられ、大臣たちはロザリエのための旅行先を考え出す。

「帝国内の光の神を祀る廟を巡る旅などいかがでしょうか」

 ロザリエが不満そうな顔をし、慌てて大臣は言い直す。

「新しく離宮を建てさせましょう!」
「大きな庭園を造り、見た目のいい使用人を増やします!」
「ふーん。まあ、いいわ。それなら、他の令嬢たちにも自慢できそうだし」

 ホッとした様子で、大臣たちは胸をなでおろす。
 ロザリエの不興を買うのは、皇帝の不興を買うのと同じ。
 それほどまでに、ロザリエの立場は特別なものになっていた。
 だが、俺は違う。
 皇帝陛下の代理として、ドルトルージェ王国行きが決まった時、宮廷内の雰囲気は一変した。
 そして、こんな噂が流れた。

『ラドヴァン皇子ではなく、ロザリエ皇女が皇帝の跡を継ぐのではないか』

 そんな噂だった。
 父上はロザリエを溺愛しているが、さすがに後継には考えていない――いないと思いたい。。

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