呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 大臣が尋ねると、父上は興味なさそうな顔を見せた。

「自分で見つけられますので、お気遣いなく」

 父上が答える前に返事をする。
 当たり障りのない言葉だったはずが、父上は冷たい目をして、俺を見た。

「そうだな。お前は亡き母親に似て美しい。その外見に騙され、寄ってくる女性も多いだろう」
「……そんなことはありません」
「お兄様の結婚相手は、私が厳しく審査するわ」

 ロザリエは俺に言い寄る令嬢に対し、嫌がらせをしていると聞いた。
 自分の結婚が決まらないせいだろう。

「ラドヴァンの相手は探さなくても良い」
 
 ――それは、どういう意味で?

 重い沈黙が流れた。
 だが、父上はそれについてはなにも言わず、俺に敵国行きを命じた。

「ドルトルージェ王国へ行き、使命を果たせ」

 失敗すれば、俺の立場は、ますます悪くなり、後継者として指名される可能性は低くなる。
 皇帝になれない皇子など、いい笑い者である。
 必ず、アレシュの暗殺を成功させなければならない。
 父の信頼を得て、役に立つ息子だと思わせる。
 俺は皇帝陛下の息子なのだから――宮廷から外へ出る。
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