呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 お兄様を信じたいと思っている彼女たちを傷つけるのは、どうしてもできなかった。
 私は黙って自分が着るウェディングドレスを眺め、手に触れる。

「やっぱりドレスは、帝国のドレスですわ」
「これはラドヴァン様がご用意してくださったんですよ」

 侍女たちは得意げに語ったけれど、最初の頃の強さはなかった。
 
「そうですか」

 帝国に捨て駒にされたのだと、気づき始めている彼女たちに、厳しい言葉をかけられず、ただうなずいた。
 純白のウェディングドレスを身にまとい、レースのヴェールが私を包む。
 再び、私を呼ぶように、大聖堂の鐘の音が鳴り響く。
 
「時間ですね。大聖堂へ向かいましょう」

 侍女たちと共に控え室から出る。
 大聖堂の前の通路に、アレシュ様が待っていた。
 アレシュ様は銀糸と金糸が美しく刺繍された軍服姿で、とても凛々しく見え、私が妻であるのが、申し訳ないくらいだった。

「手をどうぞ」
「ありがとうございます」

 彼の腕に手を添えた。
 私は本当に帝国から離れ、嫁ぐのだという実感が湧く。
 両国の騎士が控え、通路は緊張感が漂っていた。

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