呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
「シルヴィエ皇女。本日はご結婚おめでとうございます」

 そんな中、物怖じせず話しかけてくれたのは、ドルトルージェ王国側の騎士だった。

「ありがとうございます」

 帝国側の騎士がにらんでも、気にする様子はなく、無視してアレシュ様のそばに控える。
 彼は腕に自信があるのか、堂々としていた。

「せっかくのウェディングドレスなのに、ヴェールで顔が見えないのが残念だ」

 アレシュ様は私のヴェールに触れることも、結婚式の誓いの口づけも、両国の話し合いによって禁止されていた。
 この条件をのみ、私の結婚が決まったのだから、それに従わなくてはならなかった。
 アレシュ様はこれが、帝国側の策略であることを知らない。

 ――最初から、二人きりになれないように計画されている。

 このままだと、初夜になり、私に触れた瞬間、呪いで倒れてしまうだろう。
 死か呪いか……
 そう思っていると、通路の突き当り、扉の前までたどり着く。
 その先は大聖堂の中心、結婚の誓いを行う祭壇がある。
 大きな扉が開かれた――

「まあ……!」

 大聖堂を見た瞬間、思わず声を上げた。
< 123 / 263 >

この作品をシェア

pagetop