呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 ドルトルージェの大聖堂は、生き物の彫刻が壁面に描かれ、天井はガラスで覆われ、空が見える。
 青く染まった空に、白い鳥が飛び、大聖堂上空を横切る。
 絵や彫刻がいっさいない帝国の大聖堂とは違う。
 私が知らない物語の絵が描かれ、人間側の服装で、それがとても古い時代のものであることがわかる。
 
「古い歴史を持つ国だと聞いていたけど、本当に素晴らしい大聖堂ですね!」

 私が感動して、天井を見上げていると、アレシュ様が絵の意味を教えてくれた。

「大聖堂の生き物たちは、神々の化身とされる生き物が描かれている。ドルトルージェ王国は、遥か昔、神々と交わした約束を守り続け、国を守ってきた。ここに描かれているのは、そういう意味を持つ絵だ」

 アレシュ様は左右の彫刻、絵を眺めながら、さらに語る。

「各地には、神々の(びょう)があり、結婚式の後、その廟を巡ることで、王族の結婚が承認される。ちょっとした新婚旅行になると思うが、病弱ではなさそうだから、大丈夫だな」
「旅行ですか! 私、旅行は初めてです!」

 生まれて初めての国外で、さらにその国を旅することができるという。
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