呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
ドルトルージェ王国側の席から、祝福の声が上がる。
それも、最初にお祝いしてくれたのは、国王陛下と王妃様、第二王子のシュテファン様だった。
この状況を面白く思っていないのか、ラドヴァンお兄様。
微笑んでいたけれど、目は冷たく、結婚を祝いに来たとは思えない態度を見せていた。
「シルヴィエ皇女。結婚式が終わったので、シルヴィエと呼んでも?」
お兄様とは真逆のアレシュ様の明るい声は、暗さを吹き飛ばした。
「ええ。もちろんです」
「シルヴィエ。結婚式の後は、パーティーがある。また後で会おう」
そう言って、アレシュ様は私の手の甲に口づけた。
大きなざわめきが起きても、アレシュ様は堂々とした態度で、最後まで私をエスコートし、聖堂の外まで連れていく。
手袋越しに感じるアレシュ様の手が、温かく大切なものに思えた。
――でも、本当の夫婦にはなれない。
アレシュ様は風の神から祝福を受けているけど、私は神から呪われた身。
敵国からの求婚でなければ、皇宮から出ることも叶わなかったのだ。
多くを望んではいけない。
帝国から出られたことも、結婚式ができたことも、楽しかったお茶会だって、私には十分すぎるくらいの幸せだった。
だから、私を呪った神様。
――どうか、アレシュ様を殺さないでください。
私の願いはそれだけだった。
それも、最初にお祝いしてくれたのは、国王陛下と王妃様、第二王子のシュテファン様だった。
この状況を面白く思っていないのか、ラドヴァンお兄様。
微笑んでいたけれど、目は冷たく、結婚を祝いに来たとは思えない態度を見せていた。
「シルヴィエ皇女。結婚式が終わったので、シルヴィエと呼んでも?」
お兄様とは真逆のアレシュ様の明るい声は、暗さを吹き飛ばした。
「ええ。もちろんです」
「シルヴィエ。結婚式の後は、パーティーがある。また後で会おう」
そう言って、アレシュ様は私の手の甲に口づけた。
大きなざわめきが起きても、アレシュ様は堂々とした態度で、最後まで私をエスコートし、聖堂の外まで連れていく。
手袋越しに感じるアレシュ様の手が、温かく大切なものに思えた。
――でも、本当の夫婦にはなれない。
アレシュ様は風の神から祝福を受けているけど、私は神から呪われた身。
敵国からの求婚でなければ、皇宮から出ることも叶わなかったのだ。
多くを望んではいけない。
帝国から出られたことも、結婚式ができたことも、楽しかったお茶会だって、私には十分すぎるくらいの幸せだった。
だから、私を呪った神様。
――どうか、アレシュ様を殺さないでください。
私の願いはそれだけだった。