呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 ハグの準備をした自分の腕がむなしい。
 広げた腕をスッと元に戻した。

「やる気は十分でも、私に触れたら、彼女たちが死ぬかもしれません」

 私が神に呪われた存在だと知らないから、警戒せずに触れ、なにかあっては困る。
 こちらの国に溶け込んで、平穏に暮らしていくためには、ここはぐっと我慢するべき……
 しょんぼりし、悲しみに沈む私を見て、そばに控える侍女たちが言った。

「シルヴィエ様。帝国の皇女として、堂々となさっていてください。下々の者に遠慮する必要はございません!」
「皇帝陛下のご威光が、私たちにある限り、見下す方はいらっしゃいませんわ」

 これまで、私に近寄ろうともしなかった侍女たちは、突然、手のひらを返したように、皇女として扱っている。
 それは、なぜか。
 私が普通の皇女に見えるようにするため。

 ――侍女たちに避けられる皇女なんて、不自然ですものね。でも、今の言葉はいただけません。

「見下されるなどと、私は思っておりません。仲良くできないか考えていただけです」

 侍女たちは面白くなさそうな顔をした。
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