呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
「ええ。本当に。お二人とも美しくていらっしゃること」
さっきまで、険悪なムードだった令嬢たちの顔のこわばりが解けた。
――あっという間に人の心を溶かしてしまう不思議な方。
「ヴァルトル、行け」
腕を一振り――鷹が大きな両翼を広げ、広間をぐるりと回り、飾った花の中から、白い花を一輪くわえて戻ってきた。
「花をどうぞ」
私に手渡された一輪の白い花。バラのように咲き、雪のように白く、甘い香りがする。
この花の名は雪。
私の一番好きな花。
招待客から歓声と拍手が巻き起こる。
「ありがとうございます」
花を受け取り、見つめ合う私たち――でも、それは一瞬だけだった。
「アレシュ第一王子。シルヴィエ様は帝国の皇女。気安く触れないでいただけますか」
あっという間に侍女たちが、私を取り囲み、アレシュ様の姿が見えなくなった。
結婚式も終え、夫婦になったというのに、妻の私に指一本すら触れられない状況が続いていた。
それどころか、会話さえ阻まれる始末。
空気を読まない侍女たちに、不快な表情を浮かべたのは、ドルトルージェ王国の人々だけではなかった。
さっきまで、険悪なムードだった令嬢たちの顔のこわばりが解けた。
――あっという間に人の心を溶かしてしまう不思議な方。
「ヴァルトル、行け」
腕を一振り――鷹が大きな両翼を広げ、広間をぐるりと回り、飾った花の中から、白い花を一輪くわえて戻ってきた。
「花をどうぞ」
私に手渡された一輪の白い花。バラのように咲き、雪のように白く、甘い香りがする。
この花の名は雪。
私の一番好きな花。
招待客から歓声と拍手が巻き起こる。
「ありがとうございます」
花を受け取り、見つめ合う私たち――でも、それは一瞬だけだった。
「アレシュ第一王子。シルヴィエ様は帝国の皇女。気安く触れないでいただけますか」
あっという間に侍女たちが、私を取り囲み、アレシュ様の姿が見えなくなった。
結婚式も終え、夫婦になったというのに、妻の私に指一本すら触れられない状況が続いていた。
それどころか、会話さえ阻まれる始末。
空気を読まない侍女たちに、不快な表情を浮かべたのは、ドルトルージェ王国の人々だけではなかった。