呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
「うわ……。ある意味、帝国の監視より、アレシュ様の監視のほうが恐ろしいですね」

 カミルの目がちょっとだけ俺に冷たい。
 だが、俺の心にやましいことは一切ないと思う……ない!

「俺を変態みたいに言うなよ。ちょっとヴァルトルの目を借りて、上空から覗いただけからな? 敵地の偵察だ」
「へー。今日は庭にいたとか、うつむいてばかりだったとか、けっこう詳細だった気がしますけど」
「それくらい許せよ! それに、俺は報告している(全部ではないが)。ドルトルージェ王国のためにな」

 だから、シルヴィエの境遇について、両親や弟も知っている。
 だが、なぜシルヴィエは虐げられているのか。
 その理由まではわからなかった。

「ヴァルトルの目だと、上空から目にするものしか、わからないのが難点だな」
「あまり低く飛ぶと、害鳥扱いされそうですしね」
「そこだよ」

 あまり低く飛んでいると、農夫や子供が、棒を持って追いかけてくる。
 ドルトルージェ王国内では、生き物は神の化身であるという考えがあり、その扱いも丁寧だが、他国は違う。
 
 ――獣なのだ。

「価値観の相違によって敵になる」
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