呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
カーテンが閉まるのを見て、シュテファン様が大人びた声で、誰かの名を呼んだ。
人の目がなくなるのが早いか、シュテファン様の服からミドリガメが飛び出してきた。
「え? ミドリガメ……ですか?」
「ただの亀ではありません」
シュテファン様に慌てた様子はなく、その慣れた様子から、シュテファン様は十歳という年齢ながら、多くの病人や怪我人を見てきたのだとわかった。
ミドリガメがちょこんとアレシュ様の体の上に乗る。
そして、可愛らしい手をシュテファン様に触れさせた。
「ゼレナ。ありがとう。わかったよ」
どうやってミドリガメと意志疎通したのか、シュテファン様は目を閉じ、祈りを捧げる。
その瞬間、夜風より冷たい空気が流れ、その空気に水の気配を感じた。
霧のような細かい水の粒子を含んだ空気が、アレシュ様の体を包み癒す――握っていた手のぬくもりが戻ってくる。
シュテファン様が使った不思議な力。
それは朝の澄んだ空気に似ていた。
「シュテファン、助かった……。お前がいてくれてよかった」
アレシュ様は自分の感覚を確かめるように、手を動かし、体を起こす。
人の目がなくなるのが早いか、シュテファン様の服からミドリガメが飛び出してきた。
「え? ミドリガメ……ですか?」
「ただの亀ではありません」
シュテファン様に慌てた様子はなく、その慣れた様子から、シュテファン様は十歳という年齢ながら、多くの病人や怪我人を見てきたのだとわかった。
ミドリガメがちょこんとアレシュ様の体の上に乗る。
そして、可愛らしい手をシュテファン様に触れさせた。
「ゼレナ。ありがとう。わかったよ」
どうやってミドリガメと意志疎通したのか、シュテファン様は目を閉じ、祈りを捧げる。
その瞬間、夜風より冷たい空気が流れ、その空気に水の気配を感じた。
霧のような細かい水の粒子を含んだ空気が、アレシュ様の体を包み癒す――握っていた手のぬくもりが戻ってくる。
シュテファン様が使った不思議な力。
それは朝の澄んだ空気に似ていた。
「シュテファン、助かった……。お前がいてくれてよかった」
アレシュ様は自分の感覚を確かめるように、手を動かし、体を起こす。