呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
「こんな待遇がよくていいのでしょうか!? クッションはふかふかだし、夜食のフルーツは珍しいいものばかりで、うっかり食べ過ぎました……」

 アレシュ様は医療院に泊まって、治療中だというのに、私ときたら、もてなされ、のんびり一夜を過ごしてしまった。
 それに、くつろいでる場合じゃない。
 
「帝国側がなにも言ってこないなんて、おかしいですね」

 一夜明け、太陽が昇っても帝国側の侍女たちが、大騒ぎせず、兵士たちの足音もなかった。
 暗殺計画の要であった私を失い、パーティーは中断。
 パーティーの主役である私とアレシュ様がいなくなったら、なにか起きたと思うのが自然の流れである。
 回廊から足音が聞こえてきた。
 その足音が誰のものであるかわからなくて、寝台の天蓋の布から、顔を少しだけ出して、そっと覗いた。
 
「ああ。起きていたか」
 
 誰もおらず、アレシュ様、お一人だった。
 顔色もよく、元気そうな姿にホッと胸を撫で下ろした。

「アレシュ様の体調はいかがですか?」
「もう平気だ。毒も残ってない」

 陽の光と同じ色をした髪と夏の空に似た瞳をしていた。
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